街中の体感と客観的事実を照らし合わせる上で、まず直視すべきは公的な移動統計だ。日本政府観光局(JNTO)が発表する月次データを見れば、訪日外国人客の中で韓国からの渡航者が圧倒的なシェアを維持し続けている現実は揺るがない。月間数十万人規模の往来が定常化し、東アジアにおける人の移動として突出した数値を記録している。
一方で、日本に生活基盤を置く中長期滞在者の動向はどうだろうか。出入国在留管理庁の在留外国人統計を紐解くと、特別永住者を含む在日韓国・朝鮮人の総数は微減傾向、あるいは横ばいで推移している。就労ビザや留学による新規流入はあるものの、かつてのような定住人口の爆発的増加が起きているわけではない。
つまり、街中で実感する密度の正体は「移住による定着」ではなく、極めて高頻度な「短期周遊の流動性」だ。金曜の夜にソウルを発ち、日曜の夜には帰国する週末旅行者や、地方都市への直行便を利用した分散型の滞在が重なり合い、結果として日本各地の日常空間に溶け込んでいる。