一吹きで鼻腔が劇的に開く。あの解放感は確かに魅力的だ。だが、点鼻薬に頼りすぎる行為には大きな代償が伴う。耳鼻科の現場で指導を行う医師が口をそろえて警告するのは、連続使用による「反発現象」の危険性である。
一般的な使用基準として、1日の噴霧回数は3回から5回程度までに制限され、使用間隔も最低3時間以上空けることが定められている。そして何より重要なのが、連続して使用する期間を原則として3日程度にとどめるという点だ。なぜ、これほどまでに厳しい制限が設けられているのだろうか。
原因は鼻粘膜の血管構造にある。過度に使用を繰り返すと、薬効が切れた際に反動で血管が以前よりも激しく拡張してしまう。これがリバウンド現象だ。一時的に通りが良くなっても、数時間後には前以上の激しい鼻づまりに見舞われる。結果として薬の手放せない悪循環に陥り、粘膜が肥厚して自力では治らない重症化へと突き進んでしまう。