展覧会への足を運ぶ前に、あるいは現地での鑑賞後の復習として、最新のデジタルアーカイブを活用する鑑賞法が急速に定着している。宗達の超絶技巧をミリ単位で検証する手段が、今や誰の手のひらにもある。
国立文化財機構が提供する高解像度ビューワー「e国宝」では、金箔の継ぎ目や二神の瞳の描き込み、爪先のエッジに至るまで、肉眼では捉えきれないミクロのディテールをストレスなく拡大して鑑賞できる。また「Google Arts & Culture」のプラットフォームでも、ギガピクセル規模の超高精細画像が公開されており、世界中の名画と並べてブラウザ上で比較分析することが可能だ。
さらに「NHKオンデマンド」をはじめとする映像配信サービスでは、科学分析によって明らかになった宗達の下絵の痕跡や顔料の重なりを解説するドキュメンタリーが充実している。筆の運びの速度や、たらし込みが乾燥するまでの時間的アプローチなど、動的な検証を交えることで、絵画の奥に潜む絵師の息づかいが驚くほど鮮明に浮かび上がってくる。