現在、日本の芸能界では事務所主導型からアーティスト個人の意志を尊重するエージェント型へのシフトが急速に進んでいる。グループの改名や独立が珍しくなくなった昨今の潮流において、錦戸亮が2019年に下した決断はいわば先駆的なロードマップだったと言える。
自前のレーベルを持ち、ファンクラブを直接運営し、外部の映像制作チームとフラットに対等な立場で契約を結ぶ。彼が切り開いたこのエコシステムは、後に続く多くの表現者たちに「組織を離れてもクオリティの高い活動を継続できる」という強い確信を与えた。パイオニアとして摩擦を恐れずに道を切り拓いた意義は、エンターテインメントビジネスの視点からも極めて大きい。