『ザ・ハッスル』が誕生したきっかけは、ある夜のディスコでの偶然の出会いでした。1970年代半ば、すでにアレンジャーやプロデューサーとして確固たる地位を築いていたヴァン・マッコイは、パートナーの音楽ビジネスマンから「ニューヨークの若者たちの間で新しいダンスが爆発的に流行している」という情報を耳にします。
マンハッタンのナイトクラブ「ザ・アダムズ・アップル」を訪れたマッコイは、フロアの男女が呼吸を合わせて複雑かつ華麗にステップを踏むペアダンス「ハッスル」を目撃し、強烈な衝撃を受けました。その熱気をそのままスタジオへ持ち帰ったマッコイは、すぐさまピアノの前に座り、わずか1時間足らずで基本的なコード進行とメロディを書き上げたと伝えられています。
急遽レコーディングされたこの楽曲は、1975年発表のアルバム『Disco Baby』の最後に滑り込みで収録されました。当初はアルバムの穴埋め的なインストゥルメンタル曲として扱われていましたが、シングルカットされるやいなや瞬く間にチャートを駆け上がることになります。