歴史の歯車が大きく動いたのは、終戦直後の混乱期だった。人口統計学の知見に照らし合わせても、1947(昭和22)年から1949(昭和24)年までのわずか3年間に起きた爆発的な出生数の急増は類を見ない。これこそが、いわゆる第一次ベビーブームである。
総務省統計局の長期統計を紐解くと、この3年間における年間の出生数は約268万人前後に達し、合計でおよそ800万人を超える命が誕生した。近年の年間出生数が70万人を割り込む水準にある事実と比較すれば、その規模の異様さが際立つ。教室は常に生徒であふれ返り、机を並べる隙間すらなかった。学校教育の現場から就職市場に至るまで、彼らの前には常に熾烈な競争が立ちはだかっていたのである。