映画『ウォーターボーイズ』で玉木宏が演じた佐藤勝正といえば、なんといってもインパクト抜群のアフロヘアーだ。実はこの髪型、最初から台本で細かく指定されていたわけではない。メガホンをとった矢口史靖監督とのディスカッションの中で「とにかく観客の目を引く異物感を出そう」というアイデアから生まれたものだった。
撮影現場でのエピソードも規格外だ。クライマックス前の名シーンである学園祭のボヤ騒ぎで、佐藤のアフロヘアーに実際に火が燃え移る場面がある。CGを極力使わず実写の熱量にこだわった現場では、綿密な安全対策を講じつつも、玉木自身がギリギリの緊張感の中で体当たりの演技を披露した。焦げた匂いと熱さに耐えながら演じ切ったあの数秒間が、彼のコメディセンスと役者魂を一気に開花させた。