マダニ咬傷で最も警戒すべき病気のひとつが、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)である。SFTSウイルスを保有するマダニに噛まれることで発症し、潜伏期間は6日から14日程度とされる。主な症状は、発熱、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢といった消化器症状だ。進行すると血小板や白血球が著しく減少して出血傾向が強まり、多器官不全へと至る。
SFTSの致死率は10%から30%と極めて高く、特効薬や確立されたワクチンが存在しないため、早期の対症療法と慎重な経過観察が生命を分ける。噛まれた直後は無症状であっても、数日から2週間以内に38度以上の突然の発熱や激しい倦怠感が現れた場合は、放置せず直ちに医療機関へ相談しなければならない。