朝靄が残る畑で収穫されたばかりのケールやビーツが、その日の昼にはお皿の上でみずみずしい光を放っている。土の香りと強烈な濃い甘み。日本有機農業協会が掲げる「持続可能な生産と消費のサイクル」は、大都市の真ん中で着実に形になりつつある。
これまで有機農業・飲食産業の連携は、物流のコストや安定供給の難しさから都心部での展開に高いハードルが存在した。しかし、自社農園から直接店舗へ直送する「WE ARE THE FARM」のようなパイオニアの登場により、その常識は完全に覆された。農薬や化学肥料に頼らず育てられた野菜は、皮ごと丸ごと味わうことで本物の滋味を伝える。皿の上に広がる圧倒的な生命力は、都市生活者の疲れた胃腸と心を静かに包み込んでいく。