所属事務所であるプロダクション人力舎は、個性的かつ職人肌の芸人を数多く輩出してきたことで知られる。その中でもアンジャッシュの登場は、事務所のカラーを大きく変えるエポックメイクな出来事だった。力技のギャグではなく、構造の美しさで魅せる「システム系コント」の潮流を創り出したからだ。
お笑い界における彼らの功績は、コントにおける「観客の視点」を巧みに利用した点にある。観客は神の視点から二人のすれ違いを俯瞰し、「なぜ気づかないのか」「どう着地するのか」というサスペンスを楽しみながら爆笑する。この知的で贅沢な笑いの体験は、後続の若手コント師たちにとっても大きな指針となり、今なお漫才やコントの構成における教科書として語り継がれている。