富良野の雄大な自然を背景に、日本人の心の琴線を揺さぶり続けた不朽の名作『北の国から '87初恋』。そのヒロイン・大里れい役に抜擢された瞬間こそが、女優としてのキャリアの幕開けだった。当時、青山学院大学在学中だった彼女が放つ圧倒的な透明感と瑞々しさは、脚本を手がけた倉本聰が求める「どこか手が届かない憧れの少女」の偶像そのものであった。
フジテレビジョンが威信をかけて制作した同作において、トラックの荷台でカセットテープから流れる尾崎豊の楽曲を聴くシーンや、泥臭い思春期の葛藤を受け止める佇まいは、放送から四半世紀以上が経過した現在でも色褪せない。厳しい指導で知られる倉本聰の現場で鍛え上げられた集中力と表現の基礎は、その後の長い役者人生における揺るぎない土台となった。