単なる「虫刺され」と軽視してはならない。体長数ミリの微小な体がもたらすのは、時に命を奪う猛毒のウイルスや細菌だ。特に警戒すべきは、致死率が最高30%にも達する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)である。潜伏期間は6日から2週間程度。高熱、消化器症状(嘔吐・下痢)、意識障害、そして血小板の急激な減少が患者を襲う。
危険はSFTSにとどまらない。高熱と共に全身へ特有の発疹が広がる日本紅斑熱や、関節炎や神経症状を引き起こすライム病など、媒介される病原体は多岐にわたる。いずれも発見や治療が遅れれば重症化し、深刻な後遺症や死に至るリスクを孕んでいる。