長年にわたり製菓業の第一線に君臨し続ける老舗、株式会社文明堂東京。その知名度を爆発的に高めた最大の立役者こそが、伝説的な文明堂CM「カステラ一番 電話は二番」のフレーズである。テレビの普及期に投じられたこのスポットCMは、洗練されたマリオネットの動きと耳に残るキャッチーなメロディで、瞬く間に全国の茶の間に浸透した。
当時の固定電話は、現代のようにスマートフォンで検索して即座に発信する時代ではない。交換手に番号を告げるか、黒電話のダイヤルを回す時代だ。そこで企業が喉から手が出るほど欲したのが、誰でも記憶できる代表番号だった。業界の一番を目指す品質への執念と、覚えやすい二番という番号の組み合わせは、計算し尽くされたマーケティング戦略の賜物だったのである。