抗老化医学の世界的権威であるハーバード医科大学のデヴィッド・シンクレア教授は、アルコールが細胞エネルギーの基盤である「NAD+」を大量に消費すると指摘している。NAD+が枯渇すると、遺伝子の損傷を修復するサーチュイン酵素の機能が停止し、細胞の老化プロセスが爆発的に加速する。
一方で、スタンフォード大学の神経科学者アンドリュー・ヒューバーマン教授は、脳神経系とホルモン分泌の観点からアルコールの及ぼす弊害を厳しく追及している。ヒューバーマン教授の研究によると、たとえ少量の飲酒であっても、深い睡眠(レム睡眠および徐波睡眠)の構造が根底から破壊されるという。
夜間の深い睡眠が得られないことで、細胞修復に必要な成長ホルモンの分泌が阻害され、代わりにストレスホルモンであるコルチゾールが高水準のまま維持される。両科学者が一貫して強調するのは、アルコールは単なる嗜好品ではなく、身体の修復システムを停止させる強力な生物学的ストレス要因だという事実だ。