受診者が最も恐怖を感じる要素の一つが「処置中の痛み」です。インターネット上の掲示板やSNSでは「意識が朦朧とする中で激痛に耐えた」「トラウマになった」という過酷な手記が散見される一方、「眠っている間にすべて終わっていた」という声もあり、クリニックの麻酔管理体制によって体験に大きな落差が存在します。
現代の初期中絶手術では、静脈から麻酔薬を投与して入眠させる「静脈麻酔」と、痛覚を局所的に遮断する「局所麻酔(傍頸管ブロック)」の併用が標準的です。麻酔科の管理が行き届いた医療機関であれば、手術自体は無痛に近い状態で10〜15分程度で完了します。処置前の処置として行われる「ラミナリア(子宮頸管を広げる海綿状の器具)」の挿入時や、麻酔から覚醒した後の子宮収縮痛(重い生理痛のような鈍痛)が主な痛みの発生源となります。
一方で、経口中絶薬を選択した受診者の現場レポートでは、「手術のような麻酔の副作用や恐怖感はないものの、胎嚢が排出されるまでの数時間は重い陣痛のような差し込む腹痛と激しい下痢に耐えなければならなかった」という証言が多数を占めます。どちらの手法にも固有の身体的反応が伴うため、「薬だから完全に無痛で楽」という誤った先入観を持つことは避けるべきです。