文学の快挙に沸く一方で、ノーベル生理学・医学賞や物理学賞、化学賞の発表シーズンを迎えるたび、韓国内には重苦しい空気が漂う。半導体やディスプレイ、バッテリーといった応用技術で世界をリードする自負がありながら、基礎科学の頂点であるノーベル賞には届かない。このギャップが、国民の焦燥感を強めているのだ。
ソウル大学やKAIST(韓国科学技術院)の研究者たちからは、手厳しい指摘が相次ぐ。「短期的な商用化成果ばかりを求める評価システムが、息の長い基礎研究を圧迫している」という主張だ。数年単位で論文数や特許件数を求められる環境では、誰も見たことがない未知の領域に挑むリスクは冒せない。研究者が目先の成果追いに追われる構造が変わらない限り、科学賞の壁は破れないとの見方が根強い。