都内総合病院の医事課担当者は、保険証の視覚的管理について次のように現場の事情を明かします。
「月初の外来受付では、毎分数名の患者様から保険証をお預かりします。国民健康保険の場合、文字で小さく印字された有効期限の数字を1枚ずつ細かく精査していると、窓口に長蛇の列ができてしまいます。しかし、『今年度は緑色』と頭に入っていれば、前年の黄色を出された瞬間に『患者様、こちらは前年度のもので期限が切れています』と数秒で気づくことができます。この数秒の差が、受付の大混雑や後日発生する保険請求の差し戻しを劇的に減らしてくれたのです。」
また、自治体の国保窓口担当者への取材でも同様の回答が得られました。「隣接する自治体と同じ色にならないよう配慮したり、過去3年以内に使った色と重複しないよう配慮して次年度のベースカラーを発注しています。印刷コストの抑制と、一目でわかる視認性を両立させた行政現場の実用的な知恵なのです。」