2021年11月、長年所属したジャニーズ事務所を離れ、森田剛は大きな決断を下した。グループとしてのV6の歴史に終止符を打ち、自身が本当に向き合うべき表現の場へと舵を切った瞬間である。独立と同時に設立されたのが、妻である宮沢りえと共に歩む新事務所「株式会社MOSS」だった。
「MOSS(苔)」という名が示す通り、派手な眩しさを誇るのではなく、じっくりと時間をかけて地に根を張り、静かに命を育むようなものづくりを目指す姿勢がそこには込められている。大手芸能事務所という巨大な庇護を離れることは、あらゆるリスクを自身で引き受けることを意味する。しかし、彼はその自由と重責をむしろ歓迎するように、作品の質と自らの直感を最優先するスタイルへとシフトしていった。