息をのむような緊迫感が漂うミステリー・サスペンスで魅せた尖鋭的な演技から、人の心の機微を愛おしく拾い上げる上質なヒューマンドラマまで、彼女が歩んできた軌跡は、日本のテレビドラマ史の進化と重なる。どんなジャンルであれ、彼女の表現の根底には常に「生身の人間に対する深い洞察」が存在している。
言葉以上の雄弁さを持つ目線の泳ぎ、ほんの少しの背中の震え。彼女は虚構の物語に、一瞬で人間味溢れる生活の匂いを吹き込む。年齢と経験を重ねるごとに表現の引き出しを増やし続け、観る者の心を揺さぶり続けるその姿は、制作陣にとっても作品のクオリティを担保する最高峰のピースなのだ。