学問の自由や研究機関の独立性をめぐる問題についても、彼女は一貫して強い信念を持ち、発信を続けている。特に日本学術会議のあり方を巡る政府との議論や改変の動きに対しては、一学術者の立場を超えて、学問の本質を守るための警鐘を打ち鳴らしてきた。
日本の高等教育が国際的な競争力の低下や予算削減、非正規研究者の増大といった構造的困難に直面する中、大学や研究機関が権力から自立し、批判的思考を育む場であり続けられるか。高等教育の現場を知り尽くした元大学総長として、国家的な知の基盤が毀損されることへの危機感は極めて強い。その発言は、現場の研究者や若手学徒にとっても大きな支えとなっている。