店舗に入ると漂う酢飯の香り。その奥で忙しなく動く店員の姿に、どこか見慣れないモダンさを感じた人は少なくないはずだ。噂された制服デザインの刷新は、決して都市伝説ではない。変革の引き金を引いたのは、クリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が主導した「くら寿司グローバル旗艦店プロジェクト」だ。
同プロジェクトを率いる株式会社くら寿司の代表取締役社長・田中邦彦氏は、単なる回転寿司の枠組みを超えた日本文化の発信を掲げてきた。浅草や原宿、道頓堀などのグローバル旗艦店で試験導入された法被(はっぴ)風のジャケットや、藍色を基調とした洗練されたユニフォームデザインは、既存の店舗にも順次エッセンスとして波及している。機能性重視の簡素な白衣から、国内外のゲストを迎え入れる「魅せるギア」への昇華。視覚的なアプローチでブランド価値を高める狙いが見え隠れする。