『アイドリッシュセブン』の六弥ナギ役で見せた演技もまた、江口の役者としての底知れなさを証明している。流暢な片言の日本語を操り、天真爛漫なムードメーカーとしてグループを明るく照らすナギ。しかし、その華やかな笑顔の裏には、重厚な出自と深い孤独が隠されていた。
コミカルな掛け合いで場を和ませていた声が、仲間を想うシリアスな場面では深く静かな響きへと変化する。感情のグラデーションの付け方が極めて巧みだ。単なる「陽気な外国人キャラクター」にとどまらない複雑なバックボーンを、視聴者の胸に自然と染み渡らせる説得力を持っている。