現在、国際的なバイオアコースティクス研究のハブとして世界中からトップクラスのエンジニアと生物学者が集結しているのが、カリフォルニアを拠点とする非営利団体「Earth Species Project(アース・スピーシーズ・プロジェクト)」だ。
彼らが開発を進めているのは、人間の言語モデル(LLM)のロジックを応用し、あらゆる生物種の音声データを翻訳する基盤モデルである。クジラのクリック音、ゾウの超低周波、コウモリの高周波パルス。種ごとに異なる音響構造を共通の特徴空間へマッピングし、辞書なしで「会話の意味」を復元しようという野心的な試みだ。
ナショナルジオグラフィック協会などの世界的機関もこの潮流を強力に後援しており、フィールドでの網羅的な録音データ収集を加速させている。かつてSFの領域だった「異種間コミュニケーション」の実現は、技術的にはすでに秒読みの段階に入ったと見ていい。