要介護認定の現場において、最も家族からの相談が多く、判断が分かれやすいのが「要支援2」と「要介護1」の境界です。公的基準において、要介護1とは「食事や排泄などの基本的日常生活動作(ADL)は概ね自立しているものの、立ち上がりや歩行に不安定さが見られ、掃除や服薬、金銭管理といった手段的日常生活動作(IADL)において部分的な介助が必要な状態」を指します。 要介護度の判定は、まず全国一律のコンピューターによる一次判定(要介護認定等基準時間)が行われ、要支援2および要介護1はともに「基準時間32分以上50分未満」という同一の時間枠に分類されます。それにもかかわらず判定が分かれる理由は、主治医意見書や訪問調査特記事項を踏まえて専門家が審査する「介護認定審査会」での二次判定にあります。 ここで最大の分岐点となるのが、「心身の状態が維持・改善に向かう見込みがあるか」という点です。運動機能の低下が主因であり、リハビリテーションによって改善が期待できる場合は要支援2(介護予防給付)にとどまります。一方、軽度の認知症による判断力の低下が見られたり、心身状態が不安定で短期間での悪化リスクがあったりする場合は要介護1と認定され、本格的な介護給付の対象となります。 取材に応じたベテランの主任介護支援専門員(ケアマネジャー)は、現場の実態を次のように明かします。 「面談時に調査員の前で繕って受け答えができてしまい、要支援2と判定されたものの、実際には数日分の薬が放置され冷蔵庫に腐敗した食品が溜まっているケースが後を絶ちません。日常生活での小さなつまずきを正確に特記事項へ反映させることが、適切な判定を引き出す分水嶺になります」
要介護1の状態とは?要支援2との違いや一人暮らしの限界を徹底解説
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