道具の選択においても、調理現場では二大潮流が存在します。刃物メーカー・諏訪田製作所(SUWADA)の金字塔的アイテムである栗くり坊主の使い方と評判を調査すると、長年支持される理由が浮き彫りになります。ハサミのような形状で、片側のギザ刃で鬼皮をしっかり固定し、もう一方の切刃を動かすだけで、リンゴの皮を剥く感覚で鬼皮と渋皮を同時に剥ぎ取ることが可能です。調理器具専門店の販売動向でも、秋口の定番アイテムとして毎年安定した需要を誇ります。
一方、近年SNSを中心に支持を集めているのが栗の皮むきスプーンテクニックです。これは栗の皮むき包丁いらずを追求する家庭向けの手法で、包丁の刃先で怪我をする恐怖感を排除できます。熱湯でしっかり蒸らした栗の座の部分をスプーンの柄でこじ開け、薄い金属スプーンの先を鬼皮と渋皮の隙間に滑り込ませて押し広げると、実を削ることなく外殻だけを分離できます。
なお、あえて渋皮を残して艶やかに煮上げる「渋皮煮」を作る場合は、栗渋皮煮重曹むき方が鉄則となります。鬼皮のみをナイフで剥き、渋皮に傷をつけない状態で重曹(水1リットルに対し小さじ1程度)を加えて数回茹でこぼすことで、渋皮のアクと余分な繊維を溶かし、シルクのような滑らかな舌触りに仕上げることができます。