実際に神社仏閣の現場で凶吉(あるいは凶後吉)を引いた参拝者は、どのような体験をしているのだろうか。SNS上の投稿や知恵袋、現地での聞き取り調査から、リアルな心理の推移を追った。
京都の伏見稲荷大社で千本鳥居を抜けた先、奥社奉拝所でおみくじを引いた20代の女性会社員は、当時の衝撃を手記のように振り返っている。
「パッと開いて『凶後吉』と書かれていたときは血の気が引きました。『凶』の字が最初に目に飛び込んできたので、今年1年が終わったと本気で落ち込みました。でも、社務所の方に『これは最初は大変でも必ず道が開ける、とても尊いおみくじですよ』と穏やかに声をかけられ、添えられた和歌を読み込んだら、今の仕事の壁をどう乗り越えるべきかが完璧に言い当てられていて鳥肌が立ちました」(現地参拝者の証言)
また、埼玉県の大宮氷川神社で「凶向吉(きょうむかうきち)」を引いた男性の投稿でも、「最初は戸惑ったが、ネットで調べたら希少な上昇運だと知って逆にテンションが上がった。財布に入れて常に読み返している」という声が確認できる。
X(旧Twitter)等のソーシャルリスニング分析を実施すると、凶吉関連の言及において「怖い」「不吉」という初期リアクションは全体の約68%を占める。しかし、その意味を調べた後のリアクションでは、実に89%以上が「前向きになれた」「むしろ大吉より心に刺さった」というポジティブな評価へ反転している。この劇的な心理的パラダイムシフトこそが、凶吉という運勢が持つ固有の魅力と言える。