水道水が飲める国は世界で十数カ国だけ?なぜ日本は安全なのか真相を徹底解説

水道水が飲める国は世界で十数カ国だけ?なぜ日本は安全なのか真相を徹底解説

水道水が飲める国は世界で十数カ国だけ?なぜ日本は安全なのか真相を徹底解説の真相について、分かりやすい解説を取りまとめてご紹介します。

海外の水道水を口にして体調を崩した際、多くの旅行者は「水に病原菌が入っていた」と思い込みがちです。しかし、衛生基準が世界一厳しいとされるドイツやフランスの都市部で水を飲んだ日本人旅行者が、激しい下痢に苦しむケースが頻発しています。その主因は細菌汚染ではなく、硬水と軟水の違い お腹を壊す原因となるミネラルバランスにあります。

水に含まれるカルシウムとマグネシウムの量を炭酸カルシウムの濃度(mg/L)に換算した数値を「硬度」と呼びます。WHOの基準では以下のように分類されます。

  • 軟水:60mg/L未満(日本の大半、アイスランド、フィンランド)
  • 中硬水:60〜120mg/L未満
  • 硬水:120〜180mg/L未満
  • 非常な硬水(超硬水):180mg/L以上(フランス、ドイツ、イタリアの一部など)

日本の地形は山が急峻で、雨水が地層に浸透してから川へ流れ出るまでの時間が短いため、ミネラルを過剰に溶かし込まずに「軟水」となります。一方、ヨーロッパ大陸の多くは石灰岩層が広がる広大な平原であり、地下水は何百年もの歳月をかけて石灰岩の間を染み通るため、膨大なカルシウムとマグネシウムを抱え込んだ「超硬水」へと変化します。

このマグネシウムイオンこそが下痢を引き起こす正体です。医療現場で便秘薬(緩下剤)として「酸化マグネシウム」が処方されることからも分かる通り、マグネシウムには腸内で水分を強力に引き寄せる作用があります。普段から軟水を飲み慣れている日本人の胃腸に高硬度の水が突如流し込まれると、腸内の浸透圧バランスが崩れ、吸収しきれなかった水分が腸壁から分泌されて「浸透圧性下痢」を発症するのです。これは細菌感染ではないため発熱は伴わないことが多いものの、激しい腹痛と頻回の下痢によって旅程を完全に破壊する威力を持ちます。

加藤 愛美
著者

加藤 愛美

マーケティングと消費者心理のトレンドを分析し、現代のヒット商品の背景を読み解きます。