ネット上の情報では「楽園のようなスローライフ」が強調されがちですが、記者としての現場観察から見えてきた「知られざる盲点」や誤解を是正しておかなければなりません。
第1の誤解は、「離島だから買い物が不便で食糧調達に困る」という思い込みです。実際には島内に大型スーパー(ゆめタウン江田島店や藤三など)やドラッグストア、ホームセンターが複数店舗展開しており、日常的な日用品や生鮮食品の買い物に困ることはほとんどありません。Amazonなどのネット通販も通常の国内配送スケジュールで届くため、買い物難民になるという懸念は杞憂です。
しかし、第2の盲点として「自家用車が絶対に不要という誤解」が存在します。港周辺だけで生活を完結させることは難しく、島内の移動や子どもの送迎、まとめ買いには1世帯あたり車1台〜2台の保有が実質的に必須です。ガソリン代や軽自動車税、車検費用といった維持コストは、都市部での生活費と比較して加算される固定費として計算しておく必要があります。
第3の盲点は、天候による交通遮断のリスクです。瀬戸内海は内海で波が穏やかですが、春先の濃霧や台風の襲来時には、フェリーや高速船の欠航が発生します。陸路での移動ルート(早瀬大橋経由)が確保されているものの、呉経由で広島市内へ抜けるには迂回ルートとなるため通常より時間を要します。海運ダイヤと気象条件に柔軟に対応できる時間的余裕が求められます。