海面下深くを走る東京湾アクアラインにおいて、最も重要な生命線が海底トンネル内の排水ポンプと集水システムです。トンネル内部はシールド工法と呼ばれる頑強なセグメントで覆われていますが、構造上わずかに染み出す地下水(湧水)や、車両のタイヤが付着させて持ち込む雨水などを完全にゼロにすることはできません。
そのため、道路下には一定間隔で海底トンネル湧水排水ピット(貯水槽)が設置されています。路面両脇の側溝から流れ込んだ水は自然勾配を利用してこのピットへ集約され、設置された大型自動排水ポンプによって人工島や地上部へと一気に汲み上げられます。
万が一1系統のポンプが故障しても即座に予備系統が稼働する多重バックアップ体制が敷かれており、停電時にも自家発電設備によって途切れることなく稼働し続ける設計です。大雨が降ってもトンネル内に水が滞留しないのは、この見えない床下インフラがミリ単位で水位を制御しているからに他なりません。