数ある料理の中でも、ますや食堂のおすすめ名物として圧倒的な注文率を誇るのが「二重カツ丼(にじゅうかつどん)」と、創業以来の系譜を受け継ぐ「ラーメン」です。なぜこれほどまでにリピーターを生むのか、その調理工程と構造に迫ります。
まず、代名詞であるますや食堂のカツ丼は、一般的な卵とじカツ丼や新潟市内で主流の「タレかつ丼」とも一線を画す独自の進化を遂げています。最大の特徴は、その名の通り「カツが二層構造になっている」点です。丼の表面を覆うのは、厳選された県内産豚ロースをカラッと揚げ、割烹仕込みの甘辛い秘伝ダレと絶妙な半熟卵でとじた王道のカツ。しかし、箸を進めて白米を掘り起こすと、ご飯の中間層から「卵でとじていない、タレにくぐらせただけのサクサクの2枚目のトンカツ」が姿を現します。
- 上層(1枚目):出汁の旨味をたっぷり吸い込み、トロトロの卵と一体化したジューシーなロースカツ。
- 中層(2枚目):白米の蒸気で適度に温まりつつも、衣の香ばしさと甘辛ダレのキレをダイレクトに味わえるタレカツ仕様。
- 米・出汁の調和:米どころ新潟の粒立ちの良い白米が、上層の出汁と中層のタレを受け止め、最後の一粒まで味がボケない設計。
一度の食事で「卵とじカツ丼」と「新潟名物タレかつ丼」の双方を堪能できるこの構造は、まさに100年食堂が生み出した発明です。さらに、もう一つの柱であるますや食堂のラーメン(麺物11種の中核)も見逃せません。割烹技術を活かした透明度の高い琥珀色のスープは、鶏ガラや豚骨の動物系ベースに煮干し・昆布の和風出汁を合わせた滋味深い味わい。カツ丼の濃厚な脂分をすっきりと洗い流すため、常連客の間では「ミニカツ丼とラーメンのセット」や、シェアして両方を味わうスタイルが鉄板となっています。