インターネット上の旅行まとめ情報では「伊勢神宮に行くなら内宮徒歩圏内が正義」といった短絡的な言説が散見されます。しかし、現地の交通事情と都市計画を踏まえると、そこには見落とされがちな3つの重大な盲点が存在します。
第一の盲点は、交通規制と道路渋滞の激しさです。土日祝日や連休、年末年始にかけて、伊勢自動車道の伊勢インターチェンジおよび伊勢西インターチェンジ周辺、国道23号線から内宮へと続くパーク&バスライド区間は深刻な渋滞に見舞われます。マイカーやレンタカーで内宮直近のホテルを目指す場合、平常時なら10分の距離に1時間以上を要することも珍しくありません。
第二の盲点は、公共交通の運行タイムテーブルです。伊勢市駅・宇治山田駅と内宮を結ぶ路線バスは日中頻繁に運行されているものの、夜間(19時以降)になると運行本数が激減します。内宮周辺に宿泊しながら「夜は駅前の居酒屋街へ繰り出そう」と計画すると、帰路の移動手段を失う事態に陥ります。
第三の盲点は、参拝動線の逆行ストレスです。正式な参拝手順を重視する場合、外宮を詣でてから内宮へ向かうのが本筋です。初日に内宮周辺のホテルへ直行してチェックインしてから外宮へ戻るという行程は、時間的にも交通費的にも無駄を生じさせます。移動の効率性を突き詰めるのであれば、外宮周辺を拠点にするか、駅前のコインロッカーやホテルの荷物搬送サービス(伊勢市駅手荷物預かり所等)を綿密に組み込む必要があります。