空調服ファン掃除の真実!水洗い厳禁の理由とプロが教える分解メンテ術

空調服ファン掃除の真実!水洗い厳禁の理由とプロが教える分解メンテ術

空調服ファン掃除の真実!水洗い厳禁の理由とプロが教える分解メンテ術の要点を分かりやすくまとめてご紹介します。

現場作業員の間で最も多いトラブルが、「防水だと思い込んでジャブジャブと空調服ファンを水洗いしてしまった」という事例です。近年のハイエンドモデルにはIP54やIP55といった防塵・防滴性能を謳う製品が増えていますが、これは「あらゆる方向からの水しぶきに耐えうる」レベルであり、水没や高圧水流での丸洗いを保証しているわけではありません。

ファンの中心部に内蔵されているブラシレスDCモーターは、高密度な電子回路基板と電磁コイルで構成されています。ここに水道水が浸入すると、微小な不純物や塩素によって回路が短絡(ショート)し、電源を入れた瞬間に基板が焼き切れます。さらに、軸受け(ベアリング)内部のグリスが水流で洗い流されると、乾燥後に激しい摩擦熱が発生して異音や回転不能を引き起こす原因になります。

万が一、誤って水をかけたり水没させてしまったりした場合の空調服のモーターが濡れたときの対処は、初動のスピードと正しい判断が生死を分けます。

まず絶対に行ってはならないのが、「動くかどうか確認するために電源を入れること」です。水分が残った状態で通電すると、一撃で基板が死滅します。濡れたと気づいたら即座にケーブルを抜き、以下の救命処置を実施してください。

1. 外装の水分を乾いたタオルで徹底的に吸い取る。
2. ファンの開口部を下に向けて小刻みに振り、内部の溜まり水をできる限り排出する。
3. ドライヤーの温風は絶対に使わず(熱で樹脂が歪み、グリスが溶け出すため)、扇風機の風を直接当てるか、シリカゲルなどの乾燥剤を入れたジップロック袋にファンを密封して48時間以上放置して完全乾燥させる。
4. 電子基板用クリーナー(速乾性・無水エタノール系)を扱える環境であれば、不純物を洗い流して蒸発を促す。

これらを徹底した上で通電テストを行い、それでも異音や発熱がある場合は、内部のベアリングが破損しているため潔くユニットを交換するのが安全です。

池田 達也
著者

池田 達也

Webメディアでの編集・執筆歴10年。読者の好奇心を刺激するストーリー作りを心がけています。