審査支払機関(支払基金・国保連)がレセプト審査を行う際、最も厳密にチェックするのが「カルテ開示請求や個別指導時の診療録記載」です。外来管理加算の返戻理由として圧倒的多数を占めるのが、カルテへの記載不備です。単に「著変なし」「前回同様」「Do処方」とだけ書かれたカルテは、医学管理の実態が存在しないとみなされ、遡及して全額査定・返戻の対象となります。
査定を防ぐためのカルテには、以下の3要素が過不足なく記録されている必要があります。
- 患者の主訴および自覚症状の変化(問診結果)
- 医師による客観的な診察所見(聴診・打診・視診・触診の結果)
- 患者へ伝えた具体的な生活指導内容と次回への療養方針(計画的な医学管理)
❌ 【査定・返戻リスクが高いNGカルテ記載例】
S: 変わりないです。
O: 著変なし。胸部Clear。
A: 気管支喘息 安定。
P: 処方継続。次回4週後。
⭕ 【審査を確実にクリアするOKカルテ記載例】
S: 朝方の冷え込み時に軽い空咳あり。夜間発作や呼吸苦はなし。
O: 咽頭発赤なし。胸部聴診にてラ音(Wheezes)なし。SpO2 98%(室内気)。
A: 季節の変わり目による軽度の気道過敏亢進。喘息コントロール状態はおおむね良好。
P: 吸入ステロイド(フルティフォーム)の継続指導。起床時の室温調整とマスク着用、うがい励行を生活指導内容として指示。症状増悪時の頓服薬使用手順を再確認。次回4週後再診予定。
このように、外来管理加算のカルテ記載例において決定的なのは、医師が患者に対して「日々の生活リズム、食事、運動、環境調整、服薬状況」に関して何を指導したかが第三者から見て一目瞭然になっている点です。電子カルテのテンプレート機能を用いる場合でも、定型文をそのまま貼り付けるのではなく、当日の患者ごとの固有所見と指導内容を1行追加することが最強のレセプト査定対策となります。