かつて毎年3月に開催される全国両会(全国人民代表大会と中国人民政治協商会議)は、毛新宇の独壇場だった。中国人民政治協商会議の全国委員として会場に現れる彼は、国内外の報道陣に囲まれる名物記者会見の主役であった。
「毛沢東思想による社会主義の推進」「反腐敗闘争の重要性」「軍事教育の拡充」など、彼が提出する提案は常にメディアの見出しを飾った。国際政治ジャーナリズムの現場では、彼の率直で無防備とも言える発言の数々が、厳格に統制された政治イベントにおける貴重な観察材料として重宝された一面もある。
しかし、近年の指導部体制への移行に伴い、政治協商会議の顔ぶれは大きく刷新された。実務能力と絶対的な忠誠を重視する新体制下で、象徴的な存在にとどまる革命後代の席は徐々に整理されていった。彼が主要な政治会議の表舞台からフェードアウトしていった事実は、権力構造の劇的な地殻変動を象徴している。