田村正和の伝説は、画面の外側にも数多く存在する。共演者やスタッフの証言として最も有名なのが、「スタジオに決して台本を持ち込まなかった」というエピソードだ。撮影現場に入る段階で、自身のセリフはもちろん、共演者のセリフやト書きの動きまで完全に頭に叩き込んでいた。そのため、現場でNGを出すことは極めて稀だったという。
撮影の合間もパイプ椅子に静かに腰掛け、集中力を途切れさせない。スタッフに対しても常に紳士的で、声を荒らげることなど皆無だった。私生活を徹底して明かさず、スタジオへの往復すらもスターとしての佇まいを崩さなかった徹底ぶりは、まさに「最後の本物のスター」と呼ぶにふさわしい。彼が遺したドラマの一コマ一コマには、妥協を許さぬ表現者としての命が吹き込まれている。 (出典: 田村 正和 ドラマ(Yahoo!ニュース))
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