則本投手が抑えに転向した最大の契機は、長年楽天の絶対的守護神を務めていた松井裕樹投手(現サンディエゴ・パドレス)のメジャー移籍でした。チームの最大のストロングポイントが一瞬にして最大の懸念点へと変わった瞬間、首脳陣が白羽の矢を立てたのが則本投手でした。
当時の特番インタビューや球団関係者の証言によると、首脳陣から打診を受けた際、則本投手は「チームが勝つためならどこでも投げる」と即座に覚悟を決めたと報じられています。先発としてのプライドに固執することなく、チームの最大の危機を救うために自身のキャリアを懸けたこの決断は、選手会やファンからも大きな敬意を集めました。
先発時代のように球数をコントロールして長い回を投げるのではなく、「最初から100%の出力で打者をねじ伏せる」という役割の変化が、則本投手が本来持つ爆発的な瞬発力と見事に合致したのです。