胃カメラのピロリ菌画像で何がわかる?内視鏡所見とがんリスクの真相

胃カメラのピロリ菌画像で何がわかる?内視鏡所見とがんリスクの真相

胃カメラのピロリ菌画像で何がわかる?内視鏡所見とがんリスクの真相に関する基本知識を初心者にも親しみやすくまとめました。要点を確実におさえることができます。

内視鏡スクリーニングの際、消化器内視鏡専門医はモニターに広がる胃粘膜の「色」「凹凸」「血管の透見性」を瞬時に観察しています。ピロリ菌未感染の胃であれば、全体が淡い均一なピンク色を帯び、胃体部の粘膜下を走る微細な集合毛細血管(RAC:Regular Arrangement of Collecting Venules)がヒトデ状あるいは点状の規則正しいパターンとして明瞭に見えます。しかし、ピロリ菌が棲み着いた胃では、このRACが完全に消失し、不均一な炎症パターンへと置き換わります。

ピロリ菌感染胃炎の所見として最も代表的なのが、胃粘膜のひだの腫脹と浮腫です。感染初期から慢性期にかけて、本来は直線的で細いはずの大弯側のひだが蛇行し、太く盛り上がって観察されます。さらに、胃前庭部のびらん(点状や線状に赤く削れたような粘膜の欠損)や、モザイク状の発赤、白濁した粘液の付着などが組み合わさることで、医師は「現在ピロリ菌が活動している胃」であることを確信します。

特に若年層の画像で警戒されるのが、鳥肌胃炎の内視鏡写真にみられる所見です。胃の出口に近い前庭部から体部にかけて、まるで羽毛をむしった後の鳥肌のように、1〜2ミリ大の均質な結節(リンパ濾胞)が無数に密集して浮き上がります。この画像所見は、ピロリ菌に対する強い免疫反応によって引き起こされるもので、放置すると急激に進行する「未分化型胃がん(スキルス胃がんなど)」の極めて高いリスク因子であることが近年の多施設共同研究でも裏付けられています。

渡辺 美咲
著者

渡辺 美咲

心身ともに健康で持続可能なライフスタイルをテーマに、最新のウェルネストレンドを発信中。