医者の不養生はなぜ起きる?勤務医の過酷実態と寿命の真相に迫る

医者の不養生はなぜ起きる?勤務医の過酷実態と寿命の真相に迫る

医者の不養生はなぜ起きる?勤務医の過酷実態と寿命の真相に迫るについて見逃せない 理由を厳選して解説いたします。

言葉の成り立ちが江戸時代の風刺であったとしても、2026年現在の日本において「医者の不養生」が多発している理由は、個人のだらしなさではなく医療提供体制が抱える構造的な疲弊に他なりません。全国の病院に勤務する医師を対象とした複数の実態調査や関連学会の報告書からは、戦慄すべき労働環境が浮かび上がっています。

第一の要因は、常軌を逸した長時間労働と睡眠剥奪です。厚生労働省や医師関連団体の就労実態調査によると、勤務医の約2割から3割が、いわゆる「過労死ライン」とされる月80時間以上の時間外労働を日常的にこなしています。とりわけ外科、産婦人科、救急科、脳神経外科などの急性期医療を支える現場では、昼夜を問わない緊急手術やオンコール(待機呼び出し)が頻発し、24時間を超える連続当直明けにそのまま通常外来や手術をこなす「36時間連続勤務」が完全には根絶されていません。

第二の要因は、医師特有の心理的防衛機制と受診忌避です。日本医師会などの意識調査では、激しい自覚症状がありながら「同僚に迷惑をかけられない」「自分が休めば手術に穴が開く」「カルテを見れば病態の予測がつくため、市販薬や院内処方で自己解決してしまう」と回答した医師が半数を超えています。医療のプロフェッショナルであるというプライドが、皮肉にも「患者になることへの恐怖と抵抗感」を生み、重篤な疾患の早期発見を妨げる防壁となっているのです。

阿部 裕樹
著者

阿部 裕樹

マネー知識やキャリア形成に役立つノウハウを、初心者にも分かりやすく解説するのが得意です。