歌謡界の第一線で「おひまなら来てね」などの大ヒットを飛ばし、愛らしい笑顔と愛嬌で国民的人気を誇っていた彼女が、突如として世間を揺るがしたのは1983年のことです。当時、彼女は43歳。現代でこそ40代・50代のグラビア露出や「美魔女」という言葉は定着していますが、昭和末期の芸能界において、40代以上の女性タレントが自ら一糸まとわぬ姿を公にすることは前代未聞のタブーとされていました。
創刊間もない写真週刊誌『FOCUS』をはじめとする紙面に登場した彼女の姿は、世間の固定観念を根底から覆します。「熟れた果実のような豊満さと、無駄のないウエストライン」。世間が驚愕したのは、単なる露出の過激さではなく、20代のアイドルグラビアを凌駕するほどの奇跡のプロポーションと、満ち足りた大人の気品でした。
この反響は単発の企画にとどまらず、1980年代半ばから1990年代初頭にかけて出版界を席巻した「熟女写真集ブーム」の導火線となります。雑誌は増刷を重ね、書店では男性客のみならず同年代の女性たちが買い求める光景が見られました。オリコンや出版業界の記録を紐解くと、当時の彼女の関連出版物は数十万部規模の驚異的なセールスを記録し、出版不況知らずの経済波及効果を生み出しました。