投資家にとって最も切実な関心事は、ベビーファンドとの決定的な違いと、中間構造が介在することによるコスト負担の実態でしょう。投資信託を保有する期間中にかかり続ける「信託報酬」が、親と子の両方から二重に差し引かれているのではないかという懸念は、ネット上の投資コミュニティでも頻繁に囁かれています。
しかし、実際の投資信託の信託報酬の内訳を分解すると、その実態は全く異なります。信託報酬は、運用会社(委託会社)、販売会社(証券会社や銀行)、信託銀行(受託会社)の3者に配分される総枠があらかじめ年率パーセンテージで定められており、マザーファンドの存在によって二重課税のように手数料が上乗せされることは法規上ありません。マザーファンド自体には信託報酬が設定されておらず、コストはすべてベビーファンド側で一元管理されています。
実務面におけるマザーファンドの基準価額計算方法は、マザーファンドが保有する株式等の時価評価総額から未払金等の負債を控除した純資産総額を、発行済みの受益権口数で除して算出されます。ベビーファンドは、自身が保有する「マザーファンドの口数×マザーの基準価額」を資産として計上し、そこからベビー固有の信託報酬や監査費用等を日々日割りで差し引いた上で、私たちが目にする日々の基準価額を算出しています。計算ロジックは極めて厳密であり、恣意的なコスト上乗せが入り込む余地はありません。