干し芋の表面を覆う白い粉の正体は、カビではなくサツマイモ由来の糖分(麦芽糖・マルトース)の結晶です。干し芋を製造する工程で、芋に含まれるデンプン質が酵素の働きによって糖へと分解され、乾燥していく過程で水分とともに表面へ染み出し、水分だけが蒸発して糖分が結晶として残留します。
この現象は専門用語で「粉引き(こひき)」や「糖化」と呼ばれ、干し柿の表面に現れる白い粉とまったく同じ自然現象です。つまり、白い粉がしっかりと吹いている干し芋は、しっかりと熟成が進み、糖度が極限まで引き出された証拠にほかなりません。
もちろん身体に害はなく、そのまま安心して食べられます。むしろ昔ながらの干し芋愛好家の間では、「白い粉が均一に吹いているものこそが上品な甘みを持つ極上品」として高く評価されてきました。