常備薬のパッキングにあたり、受託手荷物(スーツケース)に入れるべきか、機内持ち込み手荷物にするべきかで迷うケースは少なくありません。原則として、ロストバゲージのリスクやフライト中の急な体調悪化を考慮し、滞在中に絶対欠かせない常用薬は機内へ持ち込むのが鉄則です。
航空保安検査における国際基準では、液体物の機内持ち込みは「100ml以下の容器に入れ、容量1リットル以下の透明プラスチック製ジッパー袋に収納する」という厳格な制限が課されています。しかし、医薬品として必要な液体薬(点眼薬、シロップ剤、インスリン注射液、液状の咳止め等)については、保安検査場での明示的な申告を条件に、この100ml制限の「例外規定」が適用されます。検査場を通過する際は、他の手荷物とは別にトレーへ出し、検査員に「Medication(医薬品)」であることを口頭で申告してください。
また、慢性疾患などで医師から処方された薬を持参する場合、税関申告と英文薬剤証明書の準備が極めて重要な意味を持ちます。入国審査カードや税関申告アプリの「医薬品を所持しているか」という問いに対して、安易に「いいえ」と答えて荷物検査で発見された場合、虚偽申告として処罰の対象となります。かかりつけ医に依頼して発行してもらう「英文薬剤証明書(Medical Certificate)」または薬局で発行される「英文の薬剤情報提供書」を必ず携行し、商品名だけでなく国際一般名(INN:成分名)が明記された状態で提示できるように準備を整えておく必要があります。