猫がしんどい時の寝方とは?うずくまる姿勢に潜む病気と受診の目安

猫がしんどい時の寝方とは?うずくまる姿勢に潜む病気と受診の目安

猫がしんどい時の寝方とは?うずくまる姿勢に潜む病気と受診の目安とはどのようなものなのか? 専門的な分析を簡潔に解説します。

愛猫家の間で広く信じられている誤解の一つに、「猫は寒がりだから、体をぎゅっと丸めて寝ているのは気温のせい」「丸くなって寝ているなら安心」という言説があります。しかし、小動物臨床の観点からは、この短絡的な解釈が取り返しのつかない受診遅れを生む温床となっています。

確かに健康な猫も外気温が20度以下に下がると、表面積を減らして体熱の放散を防ぐために「アンモナイト」のように丸くなります。しかし、室内温度がエアコン等で22〜24度の適温に管理されているにもかかわらず、季節を問わず常に体を強張らせて丸まっている場合、それは保温行動ではなく体内での低体温症や持続的な鈍痛に耐えているサインです。

重篤な内臓疾患、特に敗血症や循環不全、慢性腎不全の進行期では、自律神経の失調によって体温維持機能が破綻し、平熱(38.0〜39.2度)を大幅に下回る37度前後の低体温に陥ります。猫は内臓の冷えと激しい倦怠感から、必死に熱を逃がさないよう体を固めてうずくまるのです。「冬場だから丸くなっているだけだろう」と決めつけ、暖房を強めるだけで放置した結果、翌朝には手遅れになっていたという症例は後を絶ちません。

また、「高齢だから寝相が変わっただけ」という解釈も危険な盲点です。高齢猫の多くが患う変形性関節症(DJD)は、体を伸ばして寝る動作そのものに激痛を伴います。関節の可動域が狭まり、痛みを回避するために不自然な格好で固まって寝ざるを得ないのです。寝相の変化を単なる「老化のせい」と片付けるのではなく、骨関節疾患や慢性疾患が潜んでいる可能性を疑う複眼的な視点が必要です。

森 瞳
著者

森 瞳

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