愛くるしい姿で周囲の視線を独占する羊カットですが、生活環境においては見過ごせない物理的な代償が伴います。サロンから連れ帰った瞬間は完璧な羊の姿であっても、その状態を維持することは並大抵の労力ではありません。飼い主が直面するトイプードル羊カットデメリットの現実を取材しました。
最大の障壁は、トイプードル羊カット日常の手入れの過酷さにあります。羊カットの代名詞である「もこもこの胴体」は、被毛を約2センチから4センチ以上の厚みで残すことによって形作られています。プードルの被毛はシングルコートでありながら細かく縮れているため、洋服との摩擦や寝返り、日々の歩行による擦れだけで、被毛の根元がフェルト状に絡まり合います。これを放置すると、わずか数日で皮膚の通気性が奪われ、湿疹や脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患へ直結します。
毎日のブラッシングでは、ただ表面をなでるだけでなく、スリッカーブラシで毛の根元を立ち上げ、最後に金属製のコームが地肌から毛先まで引っかかりなく通るかを確認しなければなりません。散歩から帰れば、胴体やお腹の毛に枯れ草、泥跳ね、花粉などの汚れがびっしりと吸着します。雨の日の散歩後は全身が泥水を吸ったスポンジのようになり、ドライヤーでの完全乾燥に30分以上を費やすことも珍しくありません。
さらに見過ごせないのが、個体ごとの毛質による向き不向きです。トイプードル羊カット似合う毛質には明確な条件があります。被毛の巻きが強く、毛の密度(毛量)がびっしりと詰まっていて、毛質に適度なコシや硬さがある個体でなければ、羊特有の自立したモコモコ感を出すことはできません。軟毛(柔らかい毛)や直毛気味の毛質、あるいは毛量が少ない個体が羊カットに挑むと、胴体の毛が重力で垂れ下がってしまい、ただ毛が伸び散らかしただらしないシルエットになってしまいます。毛色に関しても、ホワイト、クリーム、淡いアプリコット、あるいは明るいシルバーなどは羊の質感が出やすい反面、ブラックや濃いレッドの個体では陰影が見えにくく、写真映えの印象が大きく異なります。