ネット上では「コンビニの24時間営業は数年以内に全店で消滅する」「本部はロイヤリティが減るから時短営業を意地でも認めない」といった極端な言説が散見されます。しかし、業界構造を詳細に分析すると、いくつかの重要な盲点が存在します。
第1の誤解は、すべての店舗で深夜営業が赤字というわけではない点です。幹線道路沿いの大型トラック待機場を併設する店舗や、繁華街、総合病院の至近店舗では、深夜から未明にかけても依然として高い売上と利益率を叩き出しています。こうした店舗にとって24時間営業は収益の柱であり、一律廃止することは経営上の自殺行為となります。
第2の盲点は、本部のビジネスモデルとロイヤリティ(経営指導料)の仕組みです。多くのコンビニチェーンでは、売上高から売上原価を引いた「売上総利益(荒利益)」に所定のロイヤリティ率を掛けて本部に支払う契約になっています。深夜の人件費や光熱費は原則として加盟店オーナーの負担となる契約設計が主流だったため、かつての本部には「深夜の売上がわずかであっても、開けておいたほうがロイヤリティが増える」というインセンティブ構造が存在していました。
しかし、公正取引委員会によるフランチャイズ契約の実態調査や優越的地位の濫用に関するガイドライン策定を受け、本部は加盟店に不当な営業継続を強制できなくなりました。現在では、本部側も電気代の補助や時短によるロイヤリティ算定の見直しなど、加盟店との共倒れを防ぐための協調姿勢をとらざるを得なくなっています。