毛がない動物の進化の真相とは?ハダカデバネズミからペット事情まで解説

毛がない動物の進化の真相とは?ハダカデバネズミからペット事情まで解説

毛がない動物の進化の真相とは?ハダカデバネズミからペット事情まで解説に関するポイントを丁寧にまとめました。最新データをご覧ください。

ペットショップや動物園で見かける無毛動物が独自の魅力や適応進化を放つ一方、日本の野山や住宅地周辺で目撃される「毛のない野生動物」は、まったく異なる不穏な背景を抱えています。報道各社や地方自治体の発表資料でも、痛ましい姿の野生生物に関する住民相談が後を絶ちません。

福岡県大牟田市が「毛が無い生物にご用心!」として注意喚起を行った事例では、地域住民から「見たこともない未知の哺乳類が徘徊している」との通報が相次ぎました。現場調査によって確認されたその個体の正体は、重篤な疥癬症(かいせんしょう)に侵され、全身の毛が生え変わりを失って剥げ落ちたタヌキでした。皮膚は角質化して黒くゴワゴワとした象の皮膚のように変貌し、衰弱しきった状態で発見されたのです。

野生生物における無毛化の主因となる疥癬症は、ヒゼンダニ(Sarcoptes scabiei)という微小な寄生虫が表皮内にトンネルを掘り、寄生・産卵を繰り返すことで引き起こされる感染症です。感染したタヌキやキツネは耐え難い激しい痒みに苛まれて体を木や岩に擦り付け、皮膚が自傷によって傷つき、二次感染を起こしながら急速に被毛を喪失していきます。冬場の厳しい寒さを防毛なしで凌ぐことは困難であり、多くは低体温症や栄養失調で命を落とします。

さらに警戒すべきは、この疥癬症が人獣共通感染症(ズーノーシス)であるという点です。散歩中の愛犬が感染動物と接触したり、同じ草むらに入り込んだりすることでダニが移行し、激しい皮膚炎を発症するリスクがあります。人間にも一時的に寄生して紅斑や猛烈な痒みをもたらすため、野生の「毛がない動物」を見かけた際は、物珍しさから近寄ったり保護しようとしたりせず、速やかに自治体の鳥獣保護担当窓口や環境部局に通報することが鉄則です。

鈴木 陽菜
著者

鈴木 陽菜

暮らしを豊かにする便利アイテムや時短アイデアを中心に、実用的な情報をお届けします。