なぜ猪・鹿・蝶なのか?花札の由来と役の点数、Narutoの絆を徹底解剖

なぜ猪・鹿・蝶なのか?花札の由来と役の点数、Narutoの絆を徹底解剖

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花札の猪鹿蝶を構成するのは、7月「萩に猪」、10月「紅葉に鹿」、6月「牡丹に蝶」の3枚のタネ札だ。一見すると季節もバラバラな動植物が集まっているように思えるが、この組み合わせの根底には日本古来の美意識と絵画・文学の伝統が深く息づいている。

古来、日本の絵画や和歌には「取り合わせの美」と呼ばれる定番のペアが存在した。万葉集の時代から秋の野に伏す猪と萩は生命力の象徴とされ、百人一首でも名高い猿丸太夫の歌「奥山に 紅葉踏みわけ 鳴く鹿の」に代表されるように、紅葉と鹿は秋の情緒と神聖さを表す雅な組み合わせとして定着した。さらに、百花の王と呼ばれる牡丹に優雅に舞う蝶は、富貴と華やかさの象徴として室町時代以降の障壁画や蒔絵に好んで描かれている。

江戸時代にカルタや花札が成立する過程で、名画や古典で親しまれてきたこれら3つの風雅な吉祥画題がひとつに束ねられ、特別な役「猪鹿蝶」として昇華した。猛々しい猪、優美な鹿、華麗な蝶というコントラストの見事さが、遊技の枠を超えた芸術的な完成度を生み出している。

中川 明日香
著者

中川 明日香

エンタメ・カルチャー業界の深掘り取材を得意とし、現場のリアルな声をお伝えします。