本郷氏の名がお茶の間に広く知れ渡る契機となったのが、2012年放送のNHK大河ドラマ『平清盛』における時代考証です。徹底したリアリズムを追求し、平安末期の埃っぽさや貴族・武士の混沌としたパワーバランスを描き出す試みは、大河ドラマファンや専門家の間で今なお語り草となっています。史実の整合性を守りつつ、ドラマとしての劇的な面白さをいかに成立させるかという難題に対し、中世史のプロフェッショナルとして深くコミットしました。
その後も『チコちゃんに叱られる!』や『英雄たちの選択』、各種ワイドショーや教養バラエティ番組にコメンテーター・解説者として出演。歴史上の人物を現代のサラリーマンや政治家にたとえる独自の解説手法は、視聴者に強いインパクトを与えました。「歴史学者は堅苦しい」というパブリックイメージを軽やかに覆し、専門知をエンターテインメントへと橋渡しする稀有な存在として重宝されています。
画面越しに伝わる気さくで少しお茶目な人柄も、ファン層を広げる大きな魅力です。時に自身の失敗談を交えながら語る親しみやすさが、歴史アレルギーを持つ層すらも引き込む強力なフックとなっています。