スイス国内には複数の自死支援団体が存在しますが、スイス国外に居住する外国人の申請を受け入れている組織はごく一部に限られます。その代表格がディグニタス(DIGNITAS)とライフサークル(lifecircle)です。
チューリッヒ近郊に拠点を置くディグニタスは、1998年に設立された世界最大規模の団体で、これまでに数千人以上の外国人を支援してきました。一方、バーゼルを拠点とするライフサークルは、エリカ・プライシヒ医師らが中心となり、医療的な観点から苦痛の緩和と終末期の選択肢を提供しています(※地元最大手のエグジットなどは原則としてスイス在住者限定)。
これらの団体を利用するための審査基準は極めて厳格に定められています。単に会員登録を済ませれば認められるものではなく、以下の要件を満たす必要があります。
- 回復不能な難病または末期疾患:治療法がなく、死に至る病であること、または耐えがたい身体的苦痛があること。
- 健全な意思能力(判断能力):精神疾患による突発的な自殺願望ではなく、正常な判断力に基づいて下された決定であること。
- 自由意思による継続的な希望:他者からの強制や誘導がなく、一貫して自死を希望していること。
書類審査を通過すると「仮承諾(いわゆるグリーンライト)」が出されますが、現地スイスに到着後も、利害関係のない独立した医師による複数回の対面面談と精神鑑定が行われます。本人の意思が揺らいでいないか、判断能力が保たれているかが極限まで慎重に確認されます。