獅子心王リチャード1世の数奇な生涯!母国不在の真相と衝撃の死因

獅子心王リチャード1世の数奇な生涯!母国不在の真相と衝撃の死因

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第3回十字軍におけるリチャード1世の好敵手となったのが、アイユーブ朝の創始者でありイスラムの英雄サラディン(サラーフッディーン)でした。アッコン奪還を成功させたリチャード1世は、灼熱の砂漠地帯を行軍するアルスフの戦いでサラディン軍を痛烈に打ち破り、その軍事指揮官としての卓越した才能を遺憾なく発揮します。

しかし、この二人の関係を単なる宗教戦争の枠にとどまらないものにしたのが、数々の騎士道的な逸話です。リチャード1世が高熱に倒れた際、サラディンは敵将でありながら雪で冷やした果物や名医を送り届けて見舞いました。また、戦闘中にリチャードの乗馬が射殺されたのを見たサラディンが、「これほどの勇将が徒歩で戦うのは忍びない」と名馬2頭を贈ったというエピソードは、中世騎士道物語の白眉として語り継がれています。

兵站の限界やヨーロッパ本国の情勢不安から、リチャード1世は悲願であったエルサレムの武力奪還を断念せざるを得ませんでした。それでも1192年、非武装のキリスト教徒が安全に聖地へ巡礼できる権利を認めさせる休戦協定をサラディンと締結。エルサレムの城壁を前に「神よ、奪還できぬ私にこの街を見せないでほしい」と顔を覆ったとされますが、実利的な和平を取りまとめた外交手腕は高く評価されています。

山口 彩花
著者

山口 彩花

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。